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最近のニュースで
「スーパーカー転売で利益 約5億円の申告漏れ指摘」
というものがありました。
どうしてこんなことになったかというと、
「生活に通常必要なものを売ったときは非課税」である一方、
「投資対象のものを売ったときは課税」となっているからです。
フェラーリなどのスーパーカーは、
「生活に通常必要なもの」?
「投資対象」?
どちらでしょうか?
裁判所はよくこういった判断基準に、
「客観的にみて」とか、
「社会通念上」とか、
そういった言葉を使います。
じゃあ「客観的」とは何?という話ですね。
富裕層の「主観的」な見方では、
スーパーカーは「生活に通常必要なもの」かもしれません。
じゃあ、裁判所が「投資対象」と判断したのは、
それって裁判官の「主観的」な判断じゃない?
という見方もあるかもしれません。
「社会通念上」もそうですよね。
富裕層の間では、スーパーカーは「生活に通常必要なもの」、
というのが「富裕層社会の通念上」では普通なのかもしれません。
じゃあ、裁判官の「社会通念上」ってどんな社会?
という見方があるかもしれません。
ただ、日本国の決まりとして、
その判断をするのが裁判所、ということになっています。
裁判所の判断が、日本国として、
法律を判断する際の「客観的」であり「社会通念」なのです。
しかし、グレーですよね。
そんなの後出しジャンケンじゃないか!
と思うかもしれません。
実際、国民からするとそうですよね。
グレーなものは、
裁判所が判断するまではグレーです。
裁判所が判断して初めて黒か白になります。
そして、その判断基準は、
一国民が決められるものではないということです。
「これって経費になりますか?」
私も仕事がらよく聞かれます。
答えられるものもあれば、
「グレー」としか答えようがないものもあります。
今回のこのニュースは裁判までは行っておらず、
当事者と税務署との話し合いの段階で合意に至ったようです。
合意に至らない場合には、諸手続きを経た上で、
最終的には裁判所の判断になりますが、
裁判になっても負ける、と判断して、
折り合いをつけたのかもしれません。
(詳細はよく分かりませんが。)
よくニュースである「見解の相違」とは、
こういうことだったりするのです。