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ある個人事業主の話。

 

税務署の税務調査が入り、3年前の売上で計上もれがあることが分かりました。

その結果、3年前の売上が1000万円を超えていることが発覚。

去年は免税事業者として消費税がかからないと思っていたのが、

思いがけず、課税事業者で消費税がかかることが発覚しました。

 

ではこのとき、その個人事業主さんの消費税の計算はどうなるでしょう?

 

その個人事業主さんは、こう言いました。

「そんなこと言われても、去年は消費税を預かってないから納める税金なんてないよ!」

消費税は預り金、その個人事業主さんの主張も分かります。

でも、実は、消費税はそんな法律にはなってないんですね。

 

例えば、10,000円のものを売ったとき、

理屈的には1,000円の消費税を一緒に預かって、

お客さんからは11,000円をもらわなければならない、

もらわなかったら、そもそも預かっていないんだ、

これが一般の方の消費税の考え方です。

 

でも、法律的には違うんです。

お客様から10,000円を受け取った場合、

10,000円の110分の10を消費税の預かり分と考えるんです。

10,000×(10/110)=909、

909円を消費税預かり分として計算することになっています。

9,091円が本体価格、909円を消費税分、と考えるんです。

 

「なんじゃそりゃ?」

そう言いたくなりますよね。

でもそうなんです。

一部の政治家が「消費税は預り金ではない」と言っているのは、

こうした事情があるからです。

 

その個人事業主からすると、とんだ災難ですよね。

意図的ではなく、売上が計上もれとなっていて、

本来預かるべきだった消費税を価格に転嫁できず、

消費税を預かっていないはずの対価の一部が消費税とみなされるのです。

 

売上を計上もれしていた個人事業者が悪い、

と言ってしまったらそれまでですが、

そこは消費税の計算構造という論点からずれてしまいますよね。

 

この問題をどう考えるか?

 

「税は理屈の世界」と言ったラスボスが昔いましたが、

こんなところでその「理屈」は生きていたりします。

 

さあどう考えましょうか。