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103万円の壁の話題に合わせるかのように
106万円の壁について厚生労働省の情報が出回っていますね。
収入による壁をなくして、
一律社会保険に加入させようという狙いですね。
確かに壁はなくなりますが、
手取りが減ることが問題となっています。
「老後の給付を手厚くする狙い」
と記事に書いてありましたが、
少子高齢化社会の影響で、
年金保険料を払った分だけ給付がもらえるわけではない、
ということは若者にとってはもう周知の事実だと思います。
「給付を手厚く」と言われても、
若者は「また何か言ってるよ」ぐらいにしか
思わないのではないでしょうか。
何はともあれ、壁をなくすことには間違いないので、
「壁」の観点からは理にかなっているのでしょう。
しかし、もう1つの大きな課題があって、
それは「手取りを増やすこと」ですね。
この課題には明らかに逆行する案ですね。
その視点を厚生労働省をどう考えているのでしょうね。
それにしても、国はこのような案を検討するとき、
「負担者の負担が減る方」ではなく、
「負担者の負担が増える方」を選択しがちだなと思います。
そもそも、社会保険の「年収の壁」で問題なのは、
この壁を少し超えると、手取りが逆に減ってしまう「働き損」が
生じてしまうことなんですね。
なので、この「働き損」をなくすことを目的とするならば、
例えば106万円の壁はそのまま残すとして、
社会保険料はこの106万円のを超えた金額に対して、
一定率を掛け算するような計算方法にすれば、解決するわけです。
年収116万円なら、106万円を超える10万円に
15%を掛けて1万5千円を社会保険料にするとか。
そうすれば、「働き損」は起こらないわけです。
でも、国はそのような方法にあえて触れてきません。
なぜか負担者の負担が増える方法に行きがちです。
ただ、年収の壁について見直そうという視点から考えると、
税金だけとか、社会保険だけとか、そういう問題ではなく、
両方をまとめて議論しようという姿勢が、あるべき姿だと思います。
このような議論ができることはとてもいいことだと思います。
しっかり議論を進めてほしいなと思います。