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相続で銀行の預貯金の名義変更をするためには、

一定の書類が必要です。

1.相続人が特定できる戸籍等(相続情報一覧図も可)

2.遺産分割協議書(署名・押印済み)

3.印鑑証明書

 

この中で2と3をそろえることが難しいケースがあります。

行方不明で連絡がつかない兄弟がいる。

海外にいて滅多に会えない兄弟がいる。

仲が悪くて会いたくない兄弟がいる。

こんなとき、遺産分割協議書に署名・押印をしてもらうことは難しいです。

 

お亡くなりになると、銀行の預貯金は凍結され入出金ができなくなります。

当面の生活費を出すことすらできなくなります。

すごく困りますよね。

 

そんなことにならないようにする方法として、

遺言を作成しておく、という方法があります。

遺言に、銀行の預貯金を自分に相続させる旨の記載をしてもらうのです。

法的に有効な遺言があれば、遺産分割協議書なしで、

銀行の預貯金の名義変更が可能になります。

 

会えない兄弟がいる方は検討してみてはいかがでしょうか。

 

ただ、まったく問題がないわけではありません。

遺言で財産をもらえなかった人にも、

「遺留分」とって、最低限相続でもらえる分があります。

「法定相続割合×1/2」は補償されることになっています。

 

その場合、「遺留分の侵害」として、金銭を要求されることになります。

したがって、このリスクを承知の上で、遺言を作成する必要があります。

 

ちなみに、遺族間で遺産分割で問題が生じたときに、

代理として交渉にあたることができるのは弁護士だけです。

もし、遺留分の問題が生じたときは弁護士に相談しましょう。

 

それ以前に、遺留分を侵害する遺言を作成する場合で、

当然「遺留分」の問題が起こると想定されるようなときは、

事前に弁護士に相談しておいた方がいいでしょう。

 

遺産分割で問題が起こりそうな場合には、事前の対策が必要です。

今のうちから考えておきましょう。