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霜降り明星・粗品さんが競馬で約2400万円を当てて、

その全額を能登半島地震の義援金として石川県に寄付しました。

この件について、税制面での解説をしたいと思います。

 

まず、競馬の当選金は税金がかかります。

所得税の「一時所得」になります。

ちなみに「一時所得」ですが、

当選金全額に税金がかかるわけではありません。

当選金から50万円を引いて半分にした金額に税金がかかります。

したがって、今回の場合、

(2400万円-50万円)÷2=約1175万円が税金の対象です。

端数が面倒なので、約1200万円ということにします。

 

次に、寄付は相手先によりますが、所得税の計算上控除できます。

今回は寄付の相手先が石川県で地方公共団体なので、

問題なしに控除できるはずです。

こちらも全額ではなく、2000円は対象外になりますが、

端数が出て面倒なので、約2400万円ということにします。

 

ということは、

税金の対象が約1200万円増える一方で、

控除されるものが約2400万円なので、

差引約1200万円マイナスができるわけです。

 

このマイナスがどうなるかというと、

粗品さんの本業である吉本興業からのタレント報酬から

引くことができるわけです。

 

税額でいうとどれくらい少なくなるかというと、

税率は累進課税で一定ではないので、仮に50%とすると、

約1200万円×50%=約600万円。

約600万円の減税効果になります。

 

結論

競馬の当選金を全額寄付することで、

被災地の皆さんも喜ぶ、

粗品さんも税負担が減って喜ぶ、

WIN-WINの関係です。

 

あらめまして、粗品さん、

石川県民として大変感謝いたします。

ありがとうございます。

 

ただ、粗品さんですが、

過去に領収書を全てなくして、

顧問税理士から怒られたことがあるそうです。

そりゃそうだ。

今回はちゃんとしてほしいですね。