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個人事業を法人形態にすることを、
私たち専門家は「法人成り」と呼んでいます。
ではこの「法人成り」ですが、
一般的に「節税になる」と言われていますが、
はたしてどうなんでしょう?
一言で「法人成り」と言っても、
個人事業の形態や、家族の状況など、
ケースバイケースですが、
あくまで多数の場合でざっくりお話します。
ざっくり、
「節税」になりますが、「節約」になりません。
どういうことか?
税金は減りますが、その一方で増えるものがあります。
それは「社会保険」です。
社会保険の負担率は約30%、
個人で約15%、法人がその個人分として約15%を負担します。
同族会社の場合、個人も法人も実質同じサイフなので、
合計約30%の負担があります。
したがって、
税金は減っても、社会保険が増えるので、
ほとんどの場合、ほぼプラマイゼロです。
「節約」にはなりません。
ただ、国民年金から厚生年金になるので、
将来の負担は手厚くなるはずです。
なので、「法人成り」するかどうかは、
「節税」「節約」といった観点ではなく、
「社会的信用」といった別の観点から、
判断するのが今の判断基準かなと思います。
もちろん、厚生年金になることによる、
将来の保障という観点も見逃せないですよね。
とにかく、
「法人成り」は、
「節税」になっても「節約」にならない人が多いです。
その点を踏まえて、「法人成り」をするかどうか、
きちんと考える必要があります。