「名義預金」について。

どんなものが「名義預金」になるのか?

その4です。

今回も「預金」ではありませんが、相続税法では「みなし相続財産」となる「保険契約」です。

相続税申告に際して、通帳の過去の履歴を確認するというのは以前にも書いた通りです。

ある相続税申告で、ツラツラっと通帳を見ていて気付いたこと。

 

A生命への保険料の支払いが3本ありました。

ところが死亡保険金がおりたのは2本分です。

1本足りません。

 

私「すいません。通帳を拝見すると保険料の支払いが3本ありますが、まだもらっていない保険金ありませんか?」

相続人(長男)「いいえ、全部手続きは終わっています。」

私「じゃあ、まだ続いている契約が1本あるということですね。どんな保険ですか?」

相続人(長男)「え?そんなのあるんですか?」

相続人(妻)「ああ、それ、私の保険やわ。」

私「ひょっとして、契約者がお母さんになってますか?」

 

確認すると、契約者:妻、被保険者:妻、保険受取人:夫、という保険です。

契約者は妻なのに、保険料は夫の口座から引落しになっていました。

 

相続税法で問題なのは、「契約者が誰か?」ではなく「保険料負担者は誰か?」です。

それによって相続財産かどうかが決まります。

 

このケースは被相続人が保険料を負担していました。

「生命保険契約に関する権利」に該当し、相続税の計算上、相続財産とみなされます。

 

通常は「契約者=保険料負担者」ですが、なかには「契約者≠保険料負担者」の場合があります。

そのときは相続税の計算は要注意です。

 

「名義預金」(みなし相続財産)になるケース・その4でした。