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「相続の分割は10ヶ月以内にしないといけない」

の理由について、今まで何度も書いていますが、

あらためてまた書きます。

 

まず、相続税の申告・納付の期限はお亡くなりになってから10ヶ月以内です。

それは遺産分割が終わっていようが、いまいが、関係ありません。

 

それでは、なぜ遺産分割を10ヶ月以内にしないといけないのか?

 

それは、遺産分割がされていないと受けられない特例があるからです。

その特例を受けると相続税額がぐんと安くなります。

 

そして、その特例の要件として、

遺産分割が終わって相続で取得していること、

という条件があるのです。

 

その特例ですが、主に2つあります。

 

1.配偶者の相続税額の軽減

 

配偶者の場合、1億6千万円か法定相続割合までなら、

相続で取得しても相続税がかかりません。

もし、その金額を超えていても、相続税がかかるのは、

その超えた分に対してかかります。

 

そう、「相続で取得しても」かからない、ということは、

ちゃんと相続で取得したものじゃないといけないんですね。

 

2.小規模宅地の特例

 

ずっと住み続ける土地、事業し続ける土地は、

金額を50%とか80%とか金額を減らして計算していい、

という規定があります。

 

そう、「住み続ける」「事業し続ける」ということは、

ちゃんと「続ける」人が相続で取得しないといけないんですね。

なので、取得が条件なのです。

 

じゃあ、どうしても10ヶ月以内じゃないと

この特例を受けられないのか?というと、

そういうわけではありません。

 

ちゃんと10ヶ月以内に一定の手続きをすれば、

分割が整ったときにあらためてその適用を受けることができます。

 

ただ!

 

ただし!

 

10ヶ月以内に申告・納付しないといけないことには変わりありません。

そのときには特例の適用を受けない計算で申告・納付をします。

つまり、一旦、高い税額で申告・納付しないといけないのです。

 

ちゃんと手続を踏めば、いずれは返ってくる税金ですが、

やはり手続きは面倒くさいし、一旦手元のお金は少なくなりますよね。

だったら、10ヶ月以内でスッキリいきたいところです。

 

これが「10ヶ月以内」の理由です。

お分かりいただけましたでしょうか。