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青信号は「進め」、赤信号は「止まれ」ですよね。
じゃあ、こんな法律があったらどうしますか?
「青信号は進めでも、車両の交通量によっては、青でも止まらないといけない。」
で、渡ってもいいケースかどうかは、明確な判断基準がない。
警察は判断するのは、渡った後。
渡ってしまった後に「今のは渡ったらダメなケースだったから罰金ね。」と言われる。
そもそも、車両の交通量って誰がどう決めるの?
メチャクチャな法律ですよね。
警察の主観的な判断で、罰金かどうか決まるんですからね。
言わば、後出しジャンケンみたいな感じで罰金を払わせられる。
そんな法律あったら困りますよね。
なぜ、こんな話をしたのかというと、
相続税の最高裁でこれと同じような判断がされたからです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3f8bda91d1fab38ae7de40d2dd0e3929edd63e07
路線価で計算したのに「路線価だと安すぎて、時価じゃないからダメ」
という処分をしたことに対する裁判です。
その路線価を決めたのは国なんですけどね。
「路線価が時価と離れてたら、路線価じゃなくて時価で計算すること」
という決まりがあるので、その決まりを盾に税金を追徴したというわけです。
「青信号は進めだが、車両の交通量によっては、青でも止まらないといけない。」
みたいな決まりがあったんですね。
※分かりやすくするため、用語を変えています。
そのため不正確な表現になっている部分が生じることはご了承ください。
ただ、この事件、国が一方的に問題があるかというとそうでもないんです。
相続税を申告したほうも、問題がありまして、
かなり行き過ぎた「節税?」いや「税逃れ?」いや「脱税?」があったんです。
法の網をくぐり抜けようとした意図が明らかにある事件でした。
この事件、どこまでが「節税」で、どこからが「税逃れ」「脱税」か、の線を引きにくい事件だったんです。
でも、
どこまでが「節税」で、どこからが「税逃れ」「脱税」か、線引きを、
国の後出しジャンケンでみたいな方法で決めていいよ、となったら困りますよね。
何を基準にして、当初の申告をしたらいいか分からないですよね。
でも、今回、最高裁はこの後出しジャンケンみたいなやり方を支持したわけです。
そして、最高裁判決はこの国においては最終判断です。
これが通ってしまったということです。
「どちらが正義か?」というのはさておき、
この決定は、今回だけではなくて、これからの税務行政においても、
どのような税務手続をしていくべきか、大きな大きな影響のある判決です。
私もまだマスコミの情報しか聞いていない時点でこれを書いています。
後でじっくり判決を読んでみたいと思います。
では、皆様よい一日を。