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ルネッサンスの頃から、

お金の管理には「複式簿記」が活用されています。

そして、「複式簿記」は発展し、今の企業会計に欠かせないものとなっています。

 

この「複式簿記」、何が優れているかというと、

「損益(収支)」状況と「資産負債」状況を、

ともに把握できるところです。

 

どちらか片方だけではダメなのです。

経営には両方が管理されていないとダメなのです。

 

どうダメなのか考えてみましょう。

 

1.「資産負債」状況だけを把握する場合

 

1月1日の現金残高が100万円、12月31日は500万円、

ということは400万円の利益があったんだ!

これはいわゆる「ドンブリ勘定」ですね。

 

でもこのとき、もし社員がコッソリ100万円横領していたら?

気が付かないですね?

実際の利益は400万円ではなく500万円です。

 

現金50万円をいつもと違うタンスの中に保管していて、

そのことを忘れてしまっていたら?

利益は減ってしまう?

 

そう、これでは正しい「損益」は把握できないのです。

 

2.「損益」の状況だけを把握する場合

 

1月1日から12月31日までの間の収入は1000万円、

同じ期間の経費(支出)は600万円。

当期の利益は400万円だ!

1月1日の現金残高は100万円だったから、

12月31日の現金高は500万円になっているはず・・・

しかし、実際に現金を数えると400万円しかない・・・

 

どうなっていたのでしょう?

 

社員がコッソリ横領したのかもしれない、

現金を誰かに一旦預けたが返してもらうのを忘れている、

経費を払ったときの領収書を紛失して集計されていないのかも、

 

12月31日になって1年分さかのぼっても

もう分からないですよね。

日々の残高管理をしていれば、早期に気が付いて、

その対処をとれたのかもしれません。

 

横領した社員の追及ができたかもしれない、

お金を預けたほうも、預かったほうも、記憶が新鮮なうちなら・・・

どの領収書を紛失したかを覚えていれば再発行してもらえるかも・・・

 

 

つまり、「損益」と「財産負債」、この2つの管理を同時にできて、

はじめて「お金の管理ができている」といえます。

 

そして、「損益」は損益計算書・「財産負債」は貸借対照表になります。

きちんとした管理があって初めて意味のある財務諸表ができるわけです。

 

きちんとした管理をすることがまず最初であり、

それを漏れなく記録する手段、それが「複式簿記」です。

 

「複式簿記」は現代企業経営に欠かせない記録手段です。

簿記検定も人気がありますよね。

なぜそんなに人気があるかというと、

企業経営にとても重要なことだからです。

 

勉強して損をすることはないと思います。