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いよいよ年末ですね。
さて、この時期の相続税申告の相談で、
「年内に終わらせてほしい」
というご要望があるときがあります。
非常に難しい相談です。
そもそも相続税の申告期限は、
お亡くなりになってから10ヶ月です。
所得税の確定申告は3月15日までなので2ヶ月半、
法人税の申告は事業年度終了から2ヶ月。
他の税目と比べて極端に長くなっています。
その理由は「相続税の申告には時間がかかるから」です。
相続税の申告書作成って、
相続財産を並べて書いて、チャチャッと集計して終わり、
ではないんですね。
細かい確認がいたるところで必要なんです。
まず、相続財産の洗い出しには相当な時間がかかります。
残高証明書など必要な資料を揃えるまでは、比較的早くできます。
しかし、名義預金があるのか?ないのか?
あるのであればいくらあるのか?
これはグレーゾーンも絡むので非常に難しく時間もかかります。
それから、生前贈与もそうですね。
本人は生前贈与のつもりでも、名義預金になるのでは?
記憶からすっぽり抜け落ちた生前贈与はなかったか?
これも調べるのには時間がかかります。
それから土地の評価も時間がかかることがあります。
路線価がちゃんとついているか?
建築基準法など各種法律の制限がかかっていないか?
貸している土地なら契約はどうなっているか?
時間がかかります。
最近では、契約者が相続人の保険契約で、
保険料が被相続人の口座から引き落としになっていたものがありました。
これも相続税法上では相続財産になるんです。
これは見落としがちな相続財産です。
「そんなの適当でいいから、さっさと終わらせて!」
と言われたこともあります。
しかし、それは税理士としてできないんですね。
税理士がサインして申告書を作るからには、
キチンとしたものを作る必要があるんです。
ご了承ください。
それでも、
「適当でいいよ!税務署に指摘されたら、そのときに直すよ!」
とおっしゃる方もいます。
いやいや、ごめんなさい。(^-^;
そんなやり方をしようと思ったら、
一旦、税理士は正しくない申告書を作ることになります。
国から資格を与えられて仕事をしている以上、
正しくない申告は作れないんです。(^-^;
以上のことから、
相続税の申告書を短期間で作るのは無理なのです。(^-^;
どうかご理解ください。
どうしても、適当な申告書をさっさと出したい方は、
私に相談せずに何とかしてください。(^-^;
残念ですが、ご協力できないのです。
ご容赦ください。
どうかよろしくお願いいたします。