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「所得税節税方法」と言われているけども、
実はそうとは限らないものがあります。
分かってない友達どうしで聞いた話、
飲み屋で小耳にはさんだ話、
よく分からない営業・勧誘からすすめられた話、
こんな情報源は要注意です。
知識不足による間違った情報である可能性があります。
まず最初にお伝えしたいのが、「法人成り」です。
「法人成り」とは、個人事業を法人形態にすることです。
「法人化」と言ったりすることもあります。
確かに、税金だけを考慮するのであれば、
「法人成り」は節税になります。
その理屈はこうです。
法人にした場合、所得は法人のものとなり、
その法人から個人が給料(役員報酬)をもらうことになります。
そのとき、
1.適用される所得税から法人税になること。
2.給料をもらうまでのプロセスで控除があること。
これらの理由で税金は少なくなります。
なので、「法人成り」は「節税」なのです。
しかし、とても重要なことがここでは抜けています。
それは「社会保険料」です。
この「社会保険料」、
個人が法人から給料(役員報酬)をもらうときにかかりますが、
この負担がとっても大きいんです!
個人負担で約15%、法人負担で約15%、
計約30%もかかるんです。
個人時代の国民健康保険・国民年金と比べると、
格段にその負担が増えるのです。
となると、どうなるか?
節税で節約できはずのお金は、
社会保険料の負担でほぼ相殺されます。
つまり、トータルでは節約になりません。
「節税」にはなっても「節約」にはならないのです。
家族構成などで条件は金額は変わるので、
詳しい試算は専門家にご相談いただきたいんですが、
税金・社会保険合計の負担は個人でも法人でもあまり変わらないのです。
それどころか、むしろ、法人の方が諸手続きが煩雑になるため、
個人のままにしておいたほうがいいケースが結構あります。
したがって、「節税」のためだけの「法人成り」はオススメできません。
「法人成り」には他のメリットもあります。
法人にすることによる信用力アップ、
厚生年金加入による将来の保証、などです。
そういったものを総合的に考えると、
「法人成り」をオススメするケースは当然あります。
しかし!
「節約」を考えるのであれば、
「法人成り」=「節約」とは言い切れないのです。
年々、社会保険料の負担は増しています。
この傾向はこれからも続くのではないでしょうか。
専門家以外の人からの、
不十分な知識によるアドバイスには十分気をつけてほしい、
と思う今日この頃です。