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相続税の税務調査で調べられること、

それは大部分が「名義預金」です。

 

相続財産の内訳で大きなウェイトを占めるのは不動産ですが、

不動産(主に土地)の評価については、

税務署も申告書を見た時点で計算の内訳が分かっています。

 

なので、わざわざ調べに来なくても、

土地の計算が合っているか、間違っているかは分かっています。

「調査する」というステップを踏むまでもないんですね。

 

では、「名義預金」はどうかというと、

実際に話を聞いてみないと分からない、ということが多いんですね。

 

例えば、

「お母さんはいつまで、自分で現金管理をしていましたか?」

「お母さんの認知症はいつ頃からでしたか?」

 

現金管理を母親がしなくなったら、

お金の出入りの判断は子どもがした可能性が高まります。

認知症になると母親の意思判断能力がなくなったとみなされます。

 

いずれも、「贈与」かどうか疑わしくなりますね。

 

言うまでもなく「贈与」とは、

「あげます」「もらいます」の両方の意思があって初めて成立します。

上記のような状況になると、

本当に「あげます」という意思はあったのか?

という大問題が生ずるわけです。

 

すると、

それは「贈与」ではなく「名義借り」ですね。

なんてことになります。

 

なので税務署にとって、「名義預金」の判断をする上で、

相続人へのヒアリングはとても重要なのです。

 

ちなみに、

「贈与」でもないのに「贈与」だと仮装することは脱税です。

認知症でなかった「ことにする」、という発想は危険極まりないです。

 

贈与については、令和6年に改正がありました。

生前贈与のさかのぼりが3年から7年に延長されました。

「贈与」したものが相続財産から除外されるまで7年が必要です。

 

「贈与」か「名義借り」か、の問題が多かったのでしょうか。

 

7年になることで、この問題でもめるケースは減るかもしれません。

「贈与」でも「名義借り」でも相続財産に計上されることに変わりない、

というケースが増えると思われるためです。

 

この「贈与」の問題、なかなか難しいところが多いです。

明確な答えがない分野でもあります。

 

なので、税務署からすると、

叩けば何かしら出てくる、というポイントなのかもしれません。