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税務調査には「任意調査」と「強制調査」の2種類あります。
このことはご存知の方も多いでしょう。
では、その違いは?
「強制」は文字通りですね。
強制されるもので、拒否することはできません。
では「任意調査」は拒否できるもの、と思っていませんか?
実は拒否できないのです。
「え?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
「任意」と言いつつ、拒否はできないのです。
もしも、実力行使で一切調査を受けないように、
あれやこれやの手を使って調査を受けなかったら、
最悪の場合、「調査忌避罪」などの罪に問われてしまうのです。
じゃあ「任意」じゃないじゃないか!と思われる方もいるでしょう。
そうです。そうなんです。
受ける・受けないに関しては「任意」ではないのです。
では、「任意調査」と「強制調査」、何が違うか?
それは「任意調査」の場合、
調査を受ける側の協力を前提としている、ということです。
納税する側の協力がある前提だということ。
裏を返せば、納税する側は協力しなければならない、
ということになります。
ただ、ここでちょっと条件がつきますね。
納税する側は何が何でも全面的に協力できるかというと、
そうとは限らないときがあります。
家族を病院に連れて行かないといけない、
この時期は超繁忙期なので調査の時間をとるのが難しい、
などいろんな事情があります。
そんなときは交渉の余地がある、ということ。
そう私は解釈しています。
「この先、ずっと数ヶ月忙しいから調査は無理」
というのはさすがにどうかと思いますが、
「2週間後なら繁忙期が終わるからその後にしてください」
これぐらいなら交渉の余地はあるでしょう。
ただそれも税務署との交渉次第です。
「協力する」という前提のもとであれば、
税務署も相談に乗ってくれると思います。
「2週間後もどうなるか分からないよ」という前提だと、
「2週間後」も厳しいでしょうね。
税務署からすると「延び延びにして調査を受けないのでは?」
という疑念を持つでしょうから。
税務調査は国家権力を使った強制的なものです。
「受けない」という選択肢は残されていません。
「任意」か「強制」に惑わされないようにしましょう。
「任意調査」は文字面だけで、実は「強制」です。