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私は中小企業の事業承継のセカンドオピニオンをしていません。

なぜなら、その企業の関与税理士以上の仕事をすることは困難を極めるからです。

 

株価算定ひとつを取り上げても大変な作業です。

 

まず、株主構成・株主の親族関係の把握からになります。

法人税申告書の別表に株主一覧がありますが、

これだけで親族関係は分かりません。

同じ名字でも親族でないこともあれば、違う名字でも親族のことも。

 

次に業種の判断。

具体的にどんな業種なのかヒアリングをしないと分かりません。

会社名と業種が一致しないこともよくあります。

 

会社の資産の評価も大変です。

 

土地の金額を相続税評価額に置き換えて計算をする必要があります。

その場合、いろんな事項の確認が必要となってきます。

場所・地積・固定資産税評価額・奥行き・接している路線、

賃貸していた場合は賃貸契約書など、

このブログで到底書ききれないほどの多くの確認点があります。

 

建物も同様です。

アパートなど賃貸物件の場合、埋まっている割合も関係してきます。

 

生命保険の積立金も計算のし直しが必要です。

入っている生命保険は一社とは限りません。

すべて生命保険会社に解約返戻金等の問い合わせが必要です。

 

株もそうですね。

株は基準日の終値だけでなく、

3期間の平均終値の計算もしなければなりません。

 

その他にも相続税評価額に置き換えるために

確認しないといけないことが山ほどあると想定されます。

評価額を置き換えないといけない財産・債務が、

どれだけあるかを把握するだけでも時間がかかります。

 

相続税の申告期限はお亡くなりになってから10ヶ月ですが、

それに匹敵するぐらいの作業量が必要となってきます。

それをセカンドオピニオンという

限られた期間、限られた情報量、ではできることが

どうしても限られてしまいます。

 

それらの客観的なデータのほかにもっと大事なことがあります。

経営者の「思い」「理念」など、数字では測れない部分です。

ほぼ初対面の経営者です。

短期間の面談でどこまで理解できるか?

思いを組むことができるか?

 

日頃、関与していない経営者だったとしても、

異業種交流会などで長い付き合いがあれば、

その人の考え方も知っているので、まだ話ができるでしょう。

 

しかし、ほぼ初対面だったら・・・

 

「大雑把な感じで」

「大体でいいので」

「ざっくりどうですか?」

このような場合、肝心な部分が抜け落ちる可能性が十二分にあります。

その結果、

「あの税理士は大事なところが分かっていない」

となることが予想されます。

 

結論、

事業承継をお考えの経営者さんは、

今お付き合いしている税理士と日頃から連絡を

とりあうようにしていただきますよう、よろしくお願いいたします

 

今の税理士はちょっと・・・

という経営者さんは、事業承継をちゃんと考えてくれるように

お付き合いしている税理士にお願いをしていただきますよう、

よろしくお願いいたします。

 

事業承継は一夕一朝というわけにいきません。

短期間で判断してぱっとやりたい、

というのはおすすめいたしません。

 

対策をしていないという方はすぐにでも

とりかかったほうがいいのではないかと思います。

 

そのときのパートナーとなる税理士にも

一緒に伴走してもらう必要があります。

しっかり準備を考えることをおすすめいたします。