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さて、簿記入門シリーズ、今回で最終回としたいと思います。

「経理の知識が不要」をうたうクラウド会計ソフトのCMが、

いかに信用できないかが分かってきたと思います。

 

今回は決算整理仕訳のこの仕訳の解説です。

(仕入高) xxx (繰越商品)xxx
(繰越商品)xxx (仕入高) xxx

訳も分からず、理屈も分からず、覚えていないでしょうか?

 

まず、大前提としてあるのが、これです。

「売れたものだけが経費になる」

売れてないものは経費にしちゃダメなんです。

まず、この大原則は理解しておきましょう。

 

その上で、売れる元手になるモノは何かというと、

期中に仕入れたモノ(①)と、前期から売れ残ってたモノ(②)です。

実際のモノがないと売れません。売れる元手は①と②の2種類あります。

よろしいでしょうか?

 

では、この①と②は、どうなるでしょうか?

売れたモノ(③)と、売れずに残ったモノ(④)の2種類に分類できますよね。

つまり、以下の算式が成り立ちます。

期中に仕入れたモノ(①)+前期の売れ残り(②)=売れたモノ(③)+当期の売れ残り(④)

よろしいでしょうか?

 

ここで大原則に戻ります。

経費になるのは、売れたモノ(③)です。

では、この売れたモノ(③)を出すにはどうればいいかというと、

売れたモノ(③)=期中に仕入れたモノ(①)+前期の売れ残り(②)ー当期の売れ残り(④)

よろしいでしょうか?

 

これを仕訳で表すと、以下のようになります。

①:期中の仕訳 (仕入高)xxx (預金)xxx

②:決算整理の1つ目 (仕入高)xxx (繰越商品)xxx

④:決算整理の2つ目 (繰越商品)xxx (仕入高)xxx

 

この仕訳をすることにより、

(仕入高)の勘定科目の残高は、売れたモノ(③)になるというわけです。

 

難しいですか?

難しいですよね?

他の処理も含めて、自分で全部できそうですか?

まだまだ税理士は必要だと思いませんか?

必要ですよね?

(誘導尋問ですね。申し訳ありません。)

 

AIの発達で税理士が不要になる時代は来るのかもしれませんが、

それは「今」ではない、と思っています。

ご相談お待ちしています。

 

以上です。