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算数のお話です。

 

ある飲食店が移転を考えています。

移転により増えると見込まれる経費は、

家賃が15万円、

水道光熱費5万円、

人件費20万円、

合計40万円です。

 

いくら売上を増やせば現状と同じ利益を確保できますか?

 

チッチッチッ・・・

 

正解は、

40万円ではありません。

 

ちなみに、

上記の問題では正解は導き出せませんね。

大事な計算要素が一つ足りません。

 

その計算要素とは、

粗利率(原価率)です。

 

粗利率は67%だとします。

(原価率はその裏返しなので33%)

 

増える固定費が40万円なので、

正解は、

40万円÷67%=約60万円です。

 

具体的に流れを見ると、

売上が60万円増えます。

でも、原価つまり材料費にその33%、20万円がかかります。

これはどうしてもかかるものです。

 

売上が60万円増えたとしても、

手元にまるまる残るわけではありません。

売上を上げるにはどうしても材料が必要だからです。

 

原価率33%の飲食店なら、

売上が60万円増えたら、

自動的に原価が20万円かかるのです。

 

したがって、

40万円の経費増を補うためには、

40万円の売上では足りないのです。

 

40万円の経費増を補うためには、

粗利で40万円が必要なので、

売上にすると60万円必要なのです。

 

お分かりいただけたでしょうか?

 

経費を増やす額と、

それにともなって増やさないといけない売上の額は、

イコールではありません。

 

数字を知っている経営者からすると当たり前の話ですね。

その当たり前を正しく理解することが、

経営者の第一歩です。