野々市・金沢・白山市を中心に活動している「かわした税理士のブログ」へようこそ!
クラウド会計が普及してからこんな人が増えました。
「申告だけお願いします」と税理士に依頼する人です。
決算書までは全部自分で仕上げるので、
最終的な税務申告書の作成は税理士にやってほしい、
という依頼ですね。
私も当初は「分かりました」とお答えすることが多かったです。
しかし、最近はすんなりとは引き受けないようにしています。
というか、
引き受けるのが無理なケースがほとんどなんです。
なぜかというと、
決算の内容をチェックしてみたら、
とてもじゃないけどそのまま出せたものではない、
という決算書が本当に多い!
「そんなことないだろう」と思うかもしれません。
税務や会計のプロから見た正しい処理と、
一般の方がこれでいいと思う処理とでは、
その間にはかなり大きい乖離があります。
例をあげてみましょう。
1.現金の残高がマイナスになっている。
数学でマイナスはあっても、現実社会でマイナスはありえません。
2.50万円以上の備品購入を「消耗品費」で経費計上している。
青色申告でも30万円以上は減価償却の対象です。
3.所得税の支払いを「租税公課」にしている。
所得税は経費になりません。「事業主貸」です。
4.家族で行ったディズニーランドを「福利厚生費」にしている。
普段奥さんが仕事を手伝っていたとしても、
家族で行ったものはプライベートです。「事業主貸」です。
5.借入返済を「借入金」の勘定科目だけで処理している。
借入返済は通常、元金と利息の合計額です。
上記のように間違えると、元金残高が実際の額と違ってきますし、
経費になるはずの支払利息を経費計上しないことになります。
6.生命保険を「支払保険料」にしている。
生命保険は所得控除の「生命保険料控除」になります。
全額経費計上したら過大計上になります。
などなど、挙げ出したらキリがありません。
そういえばこんなこともありました。
銀行からの引き出しが10万円あり、仕訳で「消耗品費」になっています。
「こんなキリのいい金額だったんですか?」と、私が聞いたら、
「現金で引き出して、実際は9万円ちょっとだったかな?」との返事。
・・・10万円経費にしたらダメです。
上記のいずれもそうですが、
このままの決算書で税務署に提出して、税務調査が来たら、
「先生、こんな内容で申告していいと思ってるんですか!」
と税務署から指摘を受け、下手したら税理士営業停止処分を受けます。
なので、申告だけの仕事はほとんどの場合、受けられません。
例えミスの少ない決算書でも、税理士はチェックする義務があります。
申告だけ見て、年1回3万円の顧問料、という仕事はできないのです。
どうかどうか、ご理解たまわりますよう、よろしくお願いいたします。
では、正しい処理をするにはどうすればよいか?
税理士に頼るのが一番の方法です。
処理に不安がある方は、税理士にご相談ください。
今のあなたの処理、実はとんでもない間違いをしているかもしれません。
おどすようでスイマセン。(>_<)