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今月16日からいよいよ確定申告の受付が始まります。

しかし、還付の申告、つまり税金が帰ってくる申告はもう出すことができます。

なので、医療費控除を受ける方、今年初めて住宅ローン控除を受ける方は、

税務署やら税理士事務所やらが混まないうちに手続きを済ませることをお勧めします!

 

さて、「相続時精算課税制度」について。

この制度は、ざっくりいうと、

税金がかからない金額と、相続のときにさかのぼる期間が、

通常の贈与税とは異なる贈与税の制度です。

 

通常の贈与の場合、税金がかからない限度は年間110万円です。

それに対して「相続時精算課税制度」は2500万円です。

これは年間ではなく、一生の間で2500万円です。

 

なので、最初の年に1000万円分、適用を受けたら、

次の年以降の枠は残り1500万円になります。

 

金額の枠が大きいので、

土地といったような金額の大きいものを贈与するときに、

この制度はよく使われます。

 

そして、さかのぼる期間、つまり相続になったときに、

どの期間までさかのぼって相続財産にカウントしないといけないか、ですが、

通常の贈与では3年のところ、「相続時精算課税制度」は一生です。

 

そうなんです。

「相続時精算課税制度」で贈与したら、全部相続財産に入れないといけないんです。

 

「それじゃあ、全然相続税対策にならないじゃないか!」

と思われるかもしれません。

そうです。相続税対策にはならないんです。

 

相続税がかかる人にとって、この制度はそんなに意味がないんです。

 

では、この制度に意味があるのはどんなときかというと、

まず1つ目が、相続税がかからない人です。

相続税がかからない人にとっては、通常の贈与と同様にかつ税金無しで贈与できるのがメリットです。

 

2つ目が、いろんな事情があって、

名義は次の世代の人に移しておきたい、というときに使えます。

借金をするから親の土地を自分の名前にした上で担保にしたい、とか、

家のリフォームは自分の名前でしたいからあらかじめ自分のものにしておきたい、とか、

そんなときです。

 

どちらにしろ、相続税対策としては使えません。

 

そして、とっても大きな注意点、

「相続時精算課税制度」は一度選ぶと、二度と通常の贈与には戻れません。

慎重に検討してからするかどうか決めましょう。

 

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