野々市・金沢・白山市を中心に活動している「かわした税理士のブログ」へようこそ!

 

またしても、

ネットサーフィンをしていて「おや?」と思った件について。

 

相続税を0円にする方法として、

「配偶者が相続したら1億6千万円までなら、相続税がかかりませんよ!」

と言っていた人がいました。

 

しかし、これを盲目的に信用すると非常にまずい場合があります。

 

確かに、

もし、父親がなくなって、母親も相続人になっている場合、

母親が相続する分が1億6千万円までであれば、

相続税は結果的に0円になります。

 

しかし、

これは後で痛い目にあう可能性があるんです。

 

というのも、

年齢の順番でいくと父親の次は母親が亡くなります。

母親が、父親の相続前にすでに固有の財産を多く持っているような場合、

母親が固有の財産に加え、父親の財産も上乗せされて、

母親の相続税が計算されることになります。

すると、

日本の相続税は「超過累進課税」という方式のため、

財産が多くなればなるほど、

税率もどんどん高くなって、税額がどんどん増えていく仕組みです。

母親の固有の財産に、父親の財産が上乗せされると、

母親の相続のときの税率がドーンと跳ね上がる可能性あるのです。

税額がドーンと増えてしまうのです。

 

ということは、

父親の相続のときに、あえて相続税を負担しておいた方が、

あとでまとめて母親の相続税で負担するよりも、

合計額の負担が少なくなるケースが多くある、

ということを十分検討する必要があるのです。

 

そうなんです。

 

安易にネットサーフィンで見た情報のとおりに

父親の相続のときに、全部母親に相続させてしまうと、

非常にまずいことになる可能性があるんです。

 

専門用語では、上記の場合、

父親の相続を「一次相続」、母親の相続を「二次相続」といいます。

一次・二次合計で負担を考えることが、税理士の間では常識です。

私がネットサーフィンで見た情報発信者は税理士ではありませんでした。

 

相続税について真剣に考えている人からすると、

もはや常識となっていることですが、

まだまだ知れ渡った常識とまではなっていないのが現状でしょう。

 

相続税の疑問はぜひ税理士を頼っていただきますようお願いいたします。