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令和6年の改正で贈与税まわりの制度が大きく変わりました。
生前贈与の遡る年数、相続時精算課税に基礎控除の創設など。
それもあって、
暦年課税か?相続時精算課税か?の選択が非常に難しくなっています。
1.お客様への説明の問題
「暦年課税」「相続時精算課税」の説明から必要なお客様、
この基本的な2つの制度の違いを理解してもらう必要があるわけですが、
これがなかなか難しいんです。
「暦年課税」は7年さかのぼります。
「相続時精算課税」はずっとさかのぼります。
・・・まず、さかのぼるって何?って話ですね。
「贈与したけど、相続財産に入れないといけません。」
「・・・何を言ってるか分かりません。」
贈与したのに相続財産に含める、
という発想がそもそも受け入れられない方もいます。
贈与と相続は、別々の行為であって、
一体として考えるなんて想像もつかない人はいます。
そこの固定観念の打破がまず壁としてありますね。
2.相続時精算課税制度の実務について
「相続時精算課税は2500万円まで贈与税がかからない。」
というメリットだけに目が行ってしまう方もいます。
「相続のときに相続財産に含めないといけないんですよ。」
とデメリットも含めて、念には念を押して制度の説明するんですが、
それでも後になって「相続時精算課税の撤回はできないんですか?」と
聞いてくる人が残念ながら少なからずいらっしゃいます。
「あれだけ説明したんだから、理解してもらえただろう。」
と思わない方がいいなと、感じます。
ちゃんと書面で「撤回できない」ことの確認書を残すべきなのでしょうね。
なんかギスギスした感じがしますが、
実際にそれを覆してくる方が何人かいたことを考えると、
キチンと形式としてやっておくべきなのでしょう。
3.「暦年課税」がいいか?「相続時精算課税課税」がいいか?
これは被相続人となるであろう方の、年齢や健康状態によると思います。
若い人(7年以上長生きすることが間違いない人)であれば「暦年課税」でしょう。
逆にご高齢の方は「相続時精算課税」がいいんでしょうね。
しかし、そんな先の話は正直分かりません。
実務ではどうかというと、
相談に来られる方は、7年以上長生きするかどうかでいうと、
「どっちになるか分からない、予測できない」年齢の方ばかりです。
財務省も微妙な年数を絶妙に設定したものです。
シミュレーションをするにして、
残り何年生きるか?ということを盛り込む必要があるわけで、
正直言って、そんなこと分かることではないし、
大体そういうものは外れることになっています。(^-^;
1年刻みにシミュレーションなんかしたら、
資料だけでとてつもない量になるんだろうな、と思ってます。
(実際に作ったことはありません。)
ちょっととりとめがなくなりましたが、
生前贈与に関して感じていることをあげました。
また、書きたいと思います。
生前贈与の制度はややこしくなりました。
制度の全容の理解なしで、生前贈与による相続対策はすすめられません。
お客様におかれましては、根気よく理解する必要がありますし、
私たち税理士も根気よく正しく説明する必要があると感じます。